メイギカ 第1章 第11話 〜仮面の中の素顔〜

 

「発射!!!」

 

とたん、耳障りな音とともに大きな衝撃が辺りを襲った――

 

ギィィィィィン!!

 

遙は目をつぶっていた。

すさまじい衝撃に、目を開けていられなかったのだ。

すっと、仮面の男の手が離れた。

 

 

炎よ!!

 

仮面の男の声。

 

「うわぁぁぁ!」

 

男たちの悲鳴。

 

ドゴォォォォォォォン!

 

ガリンともゴリンともつかない大きな音の後に、それよりずっと大きな爆発音が続いた。

 

思わず目を開けた遙の目に飛び込んできたのは、燃え盛る機械だったものと、逃げ惑う男たち。

仮面の男の姿は煙に囲まれ見えなかった。

 

 

仮面の男は、隊長の前に立った。

隊長は爆風にのまれ樹にたたきつけられていた。逃げようとしても足が動かないようだ。

 

「ゆ、許してくれ・・・」

「往生際が悪いですね」

「仕方ないんだ…魔人は殺すというのが国を挙げての政策なんだ…」

「ここはあなたの国ではないでしょう」

 

ボゴォォン!

 

再び爆発が起き、爆風が二人の間を通り抜ける。

仮面の男の仮面はその勢いで外れ、地面に落ちた。

仮面の中の素顔を見た隊長は目を見開き、驚愕の表情を浮かべる。

 

「お…お前まさか・・」

「・・・」

 

がさり

背後に気配を感じ振り向く。

煙の奥から姿を現したのは遙だった。

仮面の男は仮面を拾い上げ顔につけた。

もう一度隊長に向きなおり、言った。

 

「今回は見逃してあげますよ。でも近いうちに、あなたは裁きを受けるでしょう」

 

 

2回目の爆音がした後、遙は不安になり仮面の男の姿を探した。

 

「・・・おまえ・・・」

 

誰かの声が聞こえ、そちらに向かう。

煙の奥に人影が見えた。

 

仮面の男に違いない。近づくと、彼が振り向いた。

煙に囲まれてよく見えなかったが、仮面が外れていた。

左半面しかよく見えなかったが、切れ長の紫色の目と、整った鼻筋。優雅な容貌なのはすぐにわかった。

仮面の男は彼女に気がつくと仮面をつけてしまい、それ以上は見ることができなかった。

 

「今回は見逃してあげますよ。でも近いうちに、あなたは裁きを受けるでしょう」

 

仮面の男は隊長にそう言って、遙のほうへやってきた。

 

「メイギカへいくんでしょ?行くよ」

 

そうして、森の奥へと歩き出した。

 

 

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一言:仮面君はイケてるメンズです。